はじめに
こんにちは!
今回はカウンセリングで目にする機会が多い精神的な疾患について
お伝えしていきたいと思います。
正しい知識を身に付けることで病気としっかりと向き合い治療していくことが
可能です✨
是非最後までお付き合いくださいませ🔅
病名
気分障害
突発的に気分が高揚したり落ち込んだりする症状。
遺伝やストレスフルな環境が発症する原因です。
脳疾患がない場合に気分障害と診断されます。
罹患者は集中力、意欲、注意力、判断力を司る「ノルアドレナリン」と
幸福感、睡眠を司る「セロトニン」が減少している傾向があります。
自分の意思では感情をコントロールしきれず急にテンションが上がったり下がったりします。
テンションが上がっている状態を躁状態、下がっている状態を鬱状態と呼びます。
症状が出ていない状態は間欠期です。
気分障害では躁状態と鬱状態を常に繰り返すため日常生活に支障をきたします。
思春期以降、加齢につれて発症率が増加します。
カウンセリングでは根本的な
解決につながらないため、薬
物治療が基本となります❗
「電気痙攣療法」という電気
マッサージが短期治療に向い
ています。
補足
躁状態
爽快な気分で興奮している状態です。
楽天的な思考で積極的に行動し話すことが多くなります。
睡眠時間が短いと躁状態になりやすくなります。
疲れを感じないため本人に問題意識は芽生えづらいです。
鬱状態
悲観的な気分で座礁している状態です。
自責的や他罰的な思考で消極的な行動になります。
食欲低下、体重減少、性欲減退が特徴です。
日常化すると決まった時間帯で躁状態と鬱状態が切り替わるようになります。
適応障害
場所や対象物が明確な気分障害です。
環境の変化と考え方の変化により症状が緩和します。
全般性不安症
漠然とした不安が定期的に急に押し寄せてくる症状。
一度不安を感じると「最悪の結果」しか想像できなくなり何も手に付かなくなります。
将来の不安や死に対する不安などを感じれば感じるほど身体に重い症状が出ます。
人前に出ることへの恐怖や視線への恐怖、赤面、嘔吐感などの症状がある場合は
「社会不安障害」と呼称します。
身体的症状
胸騒ぎ、動悸の高まり、呼吸困難、手足のしびれ、発汗、のぼせ、ふらつき
胃腸の異常、緊張、睡眠不足、体調不良、身体の震え
急な不安に襲われたときに身体に震えの症状が出たら全般性不安症が疑われます。
基本的には「抗不安薬」などの
薬物治療が中心となります。
医師からの許可がある場合はカ
ウンセリングを受けることも可
能です。
パニック症
定期的に突然発作が起きて呼吸困難やめまい、死の恐怖を味わう症状。
発作は30分~60分間続き、その間苦しい思いを抱えます。
発作の時間が長く辛いためパニック症を患うと「死ぬかもしれない」という
恐怖に常に晒されることになります。
恐怖や怯えから生じる悲観的な思考を払拭することが治療の鍵です。
全般性不安症と同様、「抗不安薬」
などの薬物治療が中心となります。
強迫症
嫌な予感がよぎり不安が大きくなって何度も同じ行為をしてしまう症状
「万に一つの危険を恐れる気持ち」=「強迫観念」と
「不安を打ち消すための行動」=「強迫行為」に支配された状態です。
何度も何度も不安を煽る思考が思い浮かび、思考を打ち消す度に新たな不安が生じます。
「自覚はあるが行動を止められない」ということが多いです。
具体例
・家の鍵を掛け忘れた気がして何度も確認に戻ってしまう。
・まだ汚れている気がして何度も手を洗ってしまう。
薬物治療が基本となります。
強迫症に対する理解や共感が
支える人には求められます。
急性ストレス障害
衝撃的だった出来事が何度もフラッシュバックする症状。
「衝撃的な出来事」=「トラウマ」を体験してから1ヶ月以内に発症します。
発症後2日~1ヶ月以内に症状は沈静化しますが何度もフラッシュバックした記憶が
その後の生活に支障をきたすことも多々あります。
急性ストレス障害を発症するかどうかは個人差があるため、同じ体験をしても
発症する人と発症しない人がいます。
トラウマの原因となった場所から離れ、トラウマを信頼できる人に「語る」
ことで徐々に症状が緩和されていきます。
具体的な症状
間隔の麻痺、不安の増大、ぼんやりとした感覚、自我の希薄、感情の欠如
基本的には薬物治療です。
医師の許可があればカウンセリ
ングを受けることも可能です。
心的外傷後ストレス障害
衝撃的だった出来事が身体感覚を伴ってフラッシュバックする症状。
「PTSD」とも呼ばれます。
強い心理的ストレスを経験したのち、6ヶ月以内に急性ストレス障害の症状が現れます。
トラウマが唐突に襲ってくるため気分が落ち込んだり怒りっぽくなったりします。
孤独を感じやすいため安心感を得られれば症状が緩和します。
具体的な症状
理解力の減退、不眠、頭痛、食欲減退、無力感、不信感、イライラ
PTSDは薬物治療が中心です。
医師から許可を得た場合はカウン
セリングを受けることができます。
(認知行動療法が主流です。)
統合失調症
思考の歪みと情緒の不安定さから幻覚や妄想を事実だと認識する症状。
情報の取捨選択に障害はありますが意識明瞭で知能も正常なため
自覚症状がなく「自分は正常だ」という意識が強いです。
統合失調症を患うと社会的な生活に適応することが難しくなります。
発症年齢は20歳前後が多く男女差は見られません。
16歳~40歳までが患いやすい傾向にあります。
精神科入院患者の60%が統合失調症を患っています。
薬物治療で完治する例が年々増加中です。
統合失調症は医療機関での薬物
治療と専門のカウンセラーによ
るカウンセリングで治療してい
きます。
物質依存
アルコールや薬物やギャンブルによる快感から抜け出せない症状。
無理に断絶するとイライラが募って暴力的になったり不眠症になったりします。
身体的には指先の震えや発汗が見られることもあります。
依存症を自覚して依存からの脱却を自発的に目指すことで症状が緩和します。
カウンセリングや薬物治療の他に、
自助会への参加も治療に有効です。
猜疑性(さいぎせい)パーソナリティ障害
他人を信用せず常に拒絶している症状。
猜疑性パーソナリティ障害を患うと自分の権利を過剰に主張したり
嫉妬深くなったりします。
「騙された」と感じたときに極度に落ち込んだり攻撃的になったりするのが特徴です。
補足
パーソナリティ障害とは思春期前後に多く見られる不適切な行動のことです。
遺伝と環境によって患います。
医療機関で治療中の場合は医師の許可がない限り一般のカウンセリングを受けることは
できません。
統合失調型パーソナリティ障害
内向的で表現が冷たく他者の賞賛や批判に非常に敏感な症状。
他者との関わりを避けて孤立し、空想に耽ることが多いです。
統合失調症に似ている部分があるため医療機関の受診が必要になります。
反社会性パーソナリティ障害
規律を無視し他者を傷付けても良心が痛まない症状。
「他者に対して無関心」という特徴を持ちます。
問題行動については責任転嫁や言い訳をして逃避する傾向があります。
攻撃的で冷淡なため円満な治療が困難です。
境界性パーソナリティ障害
情緒不安定で常に孤独を感じている症状です。
不安、焦り、鬱、怒りから自傷行為をする傾向があります。
孤独感を満たすために他者を利用しようとして関心を惹きたがるのが特徴です。
認知の歪みが取り除かれることで症状が緩和します。
自己愛性パーソナリティ障害
優れた自分を強調し、賞賛を浴びるために他者を利用する症状。
自分に誇りを持っているため、失敗すると強い劣等感を抱いたり激怒したりします。
自慢話が多く自身の優れた点について同意を求めのが特徴です。
他者の感情を考えない傾向があります。
自閉スペクトラム症
口調やしぐさ、表情から意味を汲み取ることができない症状。
高機能、中機能、低機能に分類され治療方法は現在ございません。
そのため「対応していく」ことが求められる症状です。
言語発達の遅れがあり、親密な関係性を築くことが苦手で
計画に沿うことが困難という特徴を持ちます。
※似た症状に「アスペルガー症候群」があります。こちらは言語発達の遅れがありません。
150人に一人が自閉症スペクトラム症を患い、男児の罹患率は女児の2倍以上です。
言語への特異性があったり強迫的な行動があったりと、症状の現れ方には個人差があります。
高機能の場合は発達水準が高いため小学校低学年まで症状が判明しないことも多々あります。
カウンセリングだけでなく、医療
機関とも連携して支援をしていく
必要がある症状です。
自閉スペクトラム症に対応するために知っておきたいポイント
・言葉は短くして遠回しな表現をしない。
・写真や絵を活用して視覚情報で理解させる。
・作業は一つできたらその都度与えるようにする。
・興味関心のあるものに取り組ませる。
・行動に一区切り付いたときに指示を与える。
・して欲しいことをしてくれたら思い切り褒める。
・叱るときは短い言葉で具体的に、して欲しいことを伝える。
・スケジュールは事前に伝える。
・得意なことができたら褒めて、苦手なことは協力していく。
・「困った」という感情を教えて困ったときは誰に何と言えば良いのか練習させる。
注意欠如・多動症
落ち着きがなく絶えず体を動かしたりそわそわしたりする症状。
脳の発達過程における異常と環境的な要因で発症します。
目に入ったものに興味が湧き今までの動作を止めて次のことを始めます。
小学校低学年までは授業中に歩き回ることが多く教室から抜け出すこともあります。
小学校高学年になると歩き回ることはなくなりますが授業中のお喋りや悪戯が増えます。
総じて集団生活に馴染みにくい傾向があります。
教育現場や医療機関の
連携が治療に必要です。
学習症
特定の学習能力に障害を持つ症状。
原因は不明で中枢神経系の機能障害ではないかと推定されています。
知的発達には問題ありませんが、「話す、書く、読む、聴く、推測する、計算する」
などの分野で全くできないものが生じます。
その他の分野では問題ないため学習症を患うと周囲の理解が乏しい場合
「努力不足」だと見做されやすいです。
根気強く取り組むことで徐々にできるようになるため周囲の支援が大事となる症状です。
基本的には医療、福祉、学校
の連携で治療していきます。
チック症
突発的に反復的な発声や身体運動をしてしまう症状。
遺伝や緊張の多い環境が発症の原因です。
子どもに多くみられる症状で男児の罹患率が高いです。
運動チックと音声チックに区分され、チック症が1年以上継続
したものを「トゥレット症」と呼びます。
ストレスを取り除くことで症状が緩和します。
症状が重い場合は「漢方薬」
などの薬物治療が有効です。
運動チック
単純運動チック
まばたき、肩をすくめる、顎を下げる、首をひねる
複雑運動チック
表情を変える、飛び跳ねる、触る
音声チック
単純音声チック
咳をする、鼻を鳴らす、喉を鳴らす、奇声を発する
複雑音声チック
汚い言葉を繰り返す(汚言症)、状況に見合わない単語を発する
身体的虐待
我が子に対する物理的な暴力。
肉体的な苦痛を与えるのが特徴です。
主な身体的虐待
殴る、蹴る、つねる、火傷を負わす、激しく揺さぶる、溺れさせる、首を絞める、拘束する
心理的虐待
我が子に対する精神的な暴力。
精神的な苦痛を与えるのが特徴です。
主な心理的虐待
脅迫、無視、罵倒、非難、差別、他者への暴力を見せる、比較
性的虐待
我が子に対する性的な暴力。
肉体的、精神的な苦痛を与えるのが特徴です。
主な性的虐待
性的な行為を強要する、性行為を見せつける、性器を触る、触らせる
ネグレクト
我が子への育児放棄。
肉体的、精神的な苦痛を与えるのが特徴です。
主なネグレクト
学校に通わせない、衣食住の世話をしない、閉じ込める、病気の治療をさせない
車の中に放置する、お風呂に入らせない、清潔な恰好をさせない
虐待全般の補足
虐待された子どもは発達の遅れや問題行動が目立つようになります。
また、感情や衝動の制御が困難で自分や他者を傷付けがちです。
PTSDを患うこともあります。
虐待をしている親は「躾」だと主張することもあり、子どもの頃に同様の教育を
受けてきた可能性があります。
子どもは幼ければ幼いほど「自分が悪い子だからいけない」と考えます。
孤独と恐怖から周囲を信用できない状態にいるため、関わるときは慎重な発言が
求められます。
児童相談所や警察と連携を取り、
子どもの命を優先することが大切
です。
アルツハイマー型認知症
体験、経験を忘れ忘れている自覚すらなくなる症状。
認知症の大半がアルツハイマー型認知症です。
※次に多いのが「脳血管性認知症」です。脳梗塞などの血管の詰まりで罹患します。
男性よりも女性の方が罹患しやすいです。
遺伝的要因で発症することもあり、若年でも罹患します。
アミロイドβタンパク質が大脳皮質と癒着することで脳が委縮して記憶障害が起きます。
アミロイドβタンパク質は脳内に残ったゴミのようなものです。
一日3回脳脊髄液から外部へとアミロイドβタンパク質は排出されますが、
睡眠時間が短い場合は排出が上手くいかずに脳内に留まりやすくなります。
アルツハイマー型認知症の主な症状
物忘れ、物の置き間違え、名前の失念、同じ話の繰り返し、新たなことへの恐れ
判断能力の低下、季節感覚の麻痺、時間感覚の麻痺、場所の失念、妄想、徘徊
不安、体重の低下、体重の増加、乱れた睡眠
治療にはリハビリと薬物
療法が有効です。
てんかん
突発的に意識を失う症状。
意識消失、けいれん、運動感覚の麻痺、自律神経の異常が特徴です。
20歳未満と高齢者の罹患率が高いです。
てんかんへの恐怖から精神疾患を発症することもあります。
「抗てんかん薬」を服用すること
で発作が治まります。
手術する場合は視野障害や記憶障
害を発症するリスクがあります。
おわりに
いかがだったでしょうか?
数多くの方が今回ご紹介した疾患に罹患しています。
病気への知識を深め、援助できる環境を整えていくことが治療には欠かせません。
精神疾患の知識を身に付け今後に活かしていただければ幸いに存じます✨
最後までお付き合いしていただきまして、誠にありがとうございました❗
また次回の記事もよろしくお願いいたします♪
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