はじめに
こんにちは!
今回はカウンセリングの技法の一つ「内観療法」についてお伝えしていきたいと思います✨
「内観療法」を行うことで
「全身麻痺」「膠原病」「鬱病」「PTSD」「非行」「自殺念慮」「心身症」「不登校」
などの症状が完治するケースがございます。
個人的には心を立ちなおらせる最強の心理療法だと思っております✨
内観療法を行える施設は自然豊かな山奥にあることが多くマイナスイオンが豊富なため心が落ち着きますよ🔅
今から体験談を踏まえつつご説明をしていきます。
良ければお付き合いくださいませ😊
内観療法
内観療法は危険なのか?
結論から申し上げますと、内観療法は全くもって危険ではございません!
「面接者」と呼ばれる施設の管理者が常駐し、体調や心の変化に気付いてすぐに対処をしてくれます。
内観をやめたくなったら本人の意志でいつでも中断することもできます。
むしろ危険な状態の人が健全になるための療法ですので、
「刑務所に入っている人が警察に内観を勧められる」ということも多いみたいですよ✨
ちなみに宗教とも無関係ですので、ご安心くださいね😊
内観療法の目的
「内観」とは「自分の心の内を観察する」という意味です。
「病は気から」という言葉があるように、大抵の問題は自分の心の内から生じています。
自己洞察を深めて自身の抱えている問題の大元を知り、納得していく。
その過程で「周囲からの愛情に気付くこと」が内観療法の目的です。
内観療法の創始者
内観療法を編み出した人物は日本人の書道家「吉本伊信」です。
吉本伊信は「内観を一度でも体験した人は誰でも内観療法の指導者になる資格がある」と発言していました。
内観療法を自分だけのものとして扱わない姿勢は好感が持てますね✨
内観療法の概要
内観療法は基本的に一週間の施設への泊まり込みで行われます。
一人一人に屏風で囲われた半畳(約 90 ㎠)のスペースが与えられ
その中で孤独に一週間過ごすのです😱
これを「集中内観」と呼びます。
半畳は大人が胡坐をかいて
丁度収まるスペースです。
屏風に囲われているため暗い
上に狭いという苦行でした・・・
集中内観は一日12時間以上行い、その間必需品以外は全て取り上げられます。
※携帯電話などの外部連絡手段は入館してすぐに取り上げられます。
内観を受ける前に面接者と面談を行い、「本当に内観を受けるのか」という
意思の最終確認が終われば晴れて「内観者」として内観を受けることができます。
内観では数時間おきに面接者が訪れて
「只今のお時間、どなたに対してのいつのご自身をお調べになりましたでしょうか。」
と尋ねてきます。
その質問に答えることで自身を取り巻く人間関係や問題点と向き合うことができます。
してもらったこと、して返したこと、迷惑をかけたこと
面接者が訪れるまでの間、「内観者」はこれまで関わりの深かった人物に対しての
自分の言動を年代順に思い出していきます。
例えば面接者が一時間後に訪れるのだとすれば、「母に対しての0歳~3歳までの自分」を
「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の3つの観点から
2:2:6(12分、12分、36分)の時間配分で思い出していきます。
「迷惑をかけたこと」の時間配分が多い理由は、
「迷惑をかけたけれど存在を許してもらえた=認められていた=愛されていた」
ということに気付きやすくするためです。
「今ここに存在できていること自体」が周囲から愛情を受けてきたという証なのですね😊
愛情とはそんなに大袈裟な
ものではありません。「ただ
相手を認識してあげるだけ」
でも立派な愛情なのです。
そこに気付けるかどうかで
人生は大きく変わります。
内観療法に必要な持ち物
基本的には洗濯できない環境なので、7日分の着替え(ジャージなど)が必要です。
歯ブラシやくし、髭剃り、化粧品、化粧水や洗顔クリームなどもあった方が良いです。
お風呂にはシャンプーやリンス、ボディソープが備え付けられていることも多いので
お風呂用具は必要ないかもしれません。
布団や枕は施設のものを使用するのですが気になるようでしたら
枕くらいはご自身専用の物を用意すると良いですよ😄
ノートや筆記用具は思い出した記憶をメモするのに便利です!
持っていきましょう❗
肌寒い季節は上着もあると良いですね😄
アルバムがあると過去の記憶を思い出しやすくなるためおすすめですよ✨
内観をする前の心構え
内観療法は心を集中させる一環として「外部からの情報を一切遮断する」ことを徹底しております。
そのため一週間外部と連絡を取ることができません。
近年「SNS依存症」の方や「ドゥームスクローリング」の方が増えておりますが、そういった方が内観を行うときには「SNS断ち」をするという心構えが必要となります。
「ドゥームスクローリング」とは悲観
的なニュースばかり集めて気分を落ち
込ませることが日課になっている人の
ことです。
また、「一週間」という長い期間社会と断絶した生活を送るので会社員の方は「長期休暇を取る覚悟」、子どもが居る方は「子どもと離れる覚悟」が必要となります。
私の体験談
私が内観を行った場所は栃木県の「瞑想の森」という内観研究所です。
面接者の方にとてもご丁寧な内観の説明をしていただいてから内観を始めました。
内観には
「学校の先生」「小学生」「大学生」「政治家」「芸能人」「高齢者」「スポーツ選手」「暴力団員」「犯罪者」「精神疾患者」「心理カウンセラー」「起業家」
など、幅広い年齢、業種の方が訪れているようです。
内観中は「私語厳禁、トイレ以外の出歩き厳禁」でしたが、
運良く私以外には「内観者がいなかった」ため、自由に過ごすことができました✨
内観は
「朝5時起床、部屋掃除30分、朝昼晩の食事各1時間、入浴20分、夜9時入眠、それ以外は内観」
というスケジュールで行われました。
規則正しい生活に慣れるのに三日間かかり、内観中に居眠りすることも多かったです💦
四日目からは体も慣れてきてスムーズに内観できるようになってきました。
娯楽が全くない環境のため、「この生活をまだ半分もやらなければならないのか」と
絶望を感じたりもしましたが食事が美味しかったので何とか耐えることができました😓
屏風を取り外して外の景色を眺めたときに、草花が色鮮やかに見えたのをよく覚えております。
内観五日目ともなると過去の記憶も鮮明になり周囲の方々への感謝が増すようになりました。
早い人はこのくらいの時期で何かしらの「人生の気付き」や「天啓」を得るそうです。
内観六日目は「この生活もあと少しか・・・」と少し哀愁に浸るようになりました😁
少しの名残惜しさを感じつつも、「良い体験ができたなぁ」と素直に思えました。
内観六日目の夜のことです。
不思議な夢をみました。
暗く広大で星が煌めく美しい宇宙空間に私は浮かんでいました。
そんな私を温かく大きな母性溢れる存在が優しく抱きかかえています。
そして更に覆いかぶさるように非常に大きな温かい存在が私と母性溢れる存在を抱きかかえていました。
私は莫大な幸福感と愛情を味わい、全能感を得ることができました。
夢から覚めたときはとても気分爽快で
ぐっすり眠れた感覚があったのですが
まだ時刻は「深夜1時」でした・・・
内観中は睡眠途中で起きたことは一度
もないため、不思議な体験でした✨
ちなみに大きな存在が5mくらいだと
すると、非常に大きな存在は100mく
らいありました。
この夢のおかげで「私の人生は大丈夫だ」という気付きを得ることができました。
内観七日目は内観最終日です。
半日の内観を終えると内観終了となります。
無事内観を終えた私は帰路へとつきました。
以上が私の内観体験談です!
思い返せば一瞬ですが、体験中は非常に長く感じました😄
他の方々の得た気付き
内観で得る「気付き」は人それぞれです。
内観体験者の心に響いた言葉を要約しながらご紹介していきたいと思います。
・今まで内観は自分が立派になるためのものだと思っていたが間違っていた。
・内観は相手の姿を見るものではなかった。
・内観とは自分史の書き換えである。
・一分一秒を惜しんで内観をしないと間に合わない。
・これからの時間、一日一分一秒無駄にせず家族を大切にして生きていきたい。
・無いものに目を向けるより、有るものに目を向ける。
・自分の中に「無限の地獄」がある。
・「精神力」とは自分を知ること。他人を許すこと。
・思っていたことは起きず思っていなかったことは起きる。それらは全て意味があること。
・中々言えない「ごめんなさい」という言葉を声に出してみたら心が楽になった。
・「自分が悪かった」と思うことで、逃げているときよりも苦しみが楽になった。
・自分の罪を受け入れ償いながら、でも幸せに生きていきたいと思えるようになった。今ここに自分が存在しているのは愛し愛されて生きてきたからだと気付いた。
・今まで「皆のため」だと思っていたことは全て「自分のため」のことだった。
・ありのままの自分で生きる。自分自身に嘘を吐かない。謙虚に生きる。
・愛される勇気、謝る勇気をもらい、感謝できる人間に生まれ変わった。
・「ストレスって妄想なんだ。心が作り出しただけの実体のないものなんだ。」ということが頭ではなく心で分かった。
・「消えてなくなりたい」という思いがいつの間にか消えていたことに気付いた。
・「鬱病」のおかげで今まで出会わなかった「事」「物」「時間」「人」に巡り合えた。鬱病にも感謝したい。
・この環境だからこそ「怒り」を感じられた。「怒ること」にはエネルギーが必要だと初めて分かった。
・「私の身体はお借りしているのだ」という感覚が出てきた。
・「こんな小さなことで悩んでいたんだ。こんなことを病の原因にこじつけていたんだ」ということに気付けた。
・「今の自分で充分だ」と感じることにより自分を取り巻く環境も好きになれる。
・人はそんなに弱くない。相手に対して感じるままに向き合っても大丈夫。
・今まで父の欠点ばかり見て軽蔑していた。見返り無しに金銭的に支えてくれていたことに気付いた。本当に申し訳ありませんでした。
・ひねくれた醜い心が母の気持ちや行動を悪く悪くとっていた。
・自分が苦しんでいたとき、「母ももがき苦しんでいた」ということに気付いた。
・次はどんな嫌な自分がいるのか、調べるのが楽しくなってきた。自分の欠点に嫌気が差しても、それ以上に「家族・母」の愛に包まれていることに気付けて喜びが湧いてくる。
・本当に深い内観をすれば同じ過ちを繰り返すことはできなくなる。
・性格を変えずとも自分の捉え方次第で人格そのものを変えることはできる。
・価値観や常識というものは自分本位のものでしかない。
・思い遣りとは相手の状況を見て気持ちを考えること。
・自分を下げる行いは今まで自分の犠牲となってきた家族、友人、恋人も下げてしまう。
・今からでもしっかりと振り返り反省すれば変わることができる。
・自分の人生は自分で切り開く。自分が良いと思ったものを選んで歩む。
・混乱しているときの自分は内観でしか知ることができない。
・今を生きていない自分に気付き、エネルギーの使い方が下手だったことに気付いた。
・自分だけで生きてきたと思っていたが、それは間違いだった。
・人は人によって生かされている。
・今自分の抱えている問題は、全て自分の行いの結果であるということに気付いた。
・自分のずるさ、悪さを知ることで他人に優しくできるようになる。
・自分を理解できない者に、他者を理解できるはずがない。
・自分が包まれてきた愛に気付いて初めて人に愛をあげられる。
・誰もが人に迷惑をかけて生きている。自分が受けた恩を周囲に返していきたい。
・「人の気持ちを考えろ」という言葉は落ち着いた環境でないと実行が難しい。
・「どんな状況でどんな環境に陥っても心の幸せは得られる。」ということに気付いたとき、漠然とした不安がなくなり未来への力が湧いた。
・愛情は空気のようにそこにあり、降り注ぐもの。
内観をした人は心の棘が抜け落ち
たみたいに雰囲気が柔かくなりま
す✨
日常内観の方法
「集中内観を終えた内観者」は、日常生活でも自発的に内観を続けることを推奨されます。
これを「日常内観」と呼びます。
一日10分~30分、落ち着ける場所で目を瞑り内観を行います。
「今日一日○○さんにしていただいたこと、して返したこと、迷惑をかけたこと」
これらのことを一つ一つ丁寧に思い出します。
そうすることで「自分の気持ち」だけでなく
「相手の気持ち」や「要望」、「今後の対応の仕方」が分かります。
「集中内観をせずにどうしても日常内観から始めたい」という方は「してもらったこと、して返したこと、迷惑をかけたこと」の3つを言い換えないように注意する必要がございます。
もしも言い換えて
「ありがたかったこと、してしまったこと、謝らなければならないこと」
などと間違った内観を行ってしまうと、気付きを得られないばかりか自分や相手を責める気持ちが増幅してしまいます。
おわりに
いかがだったでしょうか?
今回は「内観療法」についてお伝えいたしました。
他の誰に指摘される訳でもなく、自分から自分の問題・気持ちに気付いていく。
まさに「自律」と言える心理療法ですね✨
今回も最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました😊
また次回の記事もよろしくお願いいたします。
※内観療法についてもう少しだけ詳しく執筆した書籍をAmazonで出版中です。
コメント欄
このような世界があるのですね。
興味深く読ませてもらいました。
でも1週間は結構思い切りが必要ですね。
どこにどのように申し込みをすれば良いのでしょうか。
コメントありがとうございます!
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お申込みはメールか電話、サイトによってはお問合せフォームから可能でございます。
※私は栃木県の「瞑想の森内観研究所」を利用させていただきました。