【道徳の授業】ハインツのジレンマを知りたい!【解答例】

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はじめに

考える人

こんにちは!

今回は心理学者の「ローレンス・コールバーグが子ども達に道徳心を試す問題として作成した

「ハインツのジレンマ」について解説していきたいと思います✨

「ハインツのジレンマ」は今でも度々小学校の授業で取り上げられているそうですよ😊

今からできる限り分かりやすく説明していきますので、是非お付き合いくださいませ☆

ハインツのジレンマの内容

ハインツというとりわけ裕福ではないけれど、妻と幸せに暮らす男性がいました。

ある日のことです。

ハインツの妻が重い病気にかかってしまいました。

このままでは妻が死んでしまいます。

彼女を救うには特効薬が必要です。

特効薬は同じ町に住んでいるある医者にしか作れません。

薬の材料費は2000円ですが、医者は薬を「200万円でしか売らない」と言います。

ハインツは妻を救うためにお金を必死に工面しました。

必要なお金の半分である「100万円」は集まりましたが、それ以上集めるのは厳しいです。

ハインツは医者に必死に頼み込みます。

「妻の命が危ないのです!その特効薬を安く売っていただくことはできないでしょうか!?もしくは、お金を必ずご用意いたしますので後払いにしていただけませんか。」。

医者はハインツにこう答えます。

「そんなことはできない。私はお金を儲けるために薬を作っている。200万円耳を揃えて今すぐに用意してくれ!」

ハインツは悩んだ末に深夜医者の家に忍び込み薬を盗みました。

もしあなたがハインツだったら薬を盗むでしょうか?

それとも盗まないでしょうか?

あなたならどうしますか?

規律を重んじるか、命を重んじるか・・・

資本主義社会ならではの問題ですよね!

最初にお話しておきますが正しい答えはございません!

自由に考えてみてくださいね✨

ハインツのジレンマの解答例

慣習以前のレベル

小学生女子

道徳心が芽生えていない状態の人(小学生)に多い解答。

道徳心の第一段階と第二段階。

第一段階=罪と服従

罰の回避と力への絶対的服従が正しい。

「罰せられるか褒められるか」が善悪の基準。

盗む場合

・盗んだことがバレなければ怒られないから

・薬がないと妻に文句を言われるから

・時間が経つと盗むことが難しくなるから

盗まない場合

・盗みは法律で禁止されているから

・法律に従うことが正しいから

・医者に怒られるから

・医者は悪いことをしていないから

第二段階=報酬と取引

自分や相手の欲求を満たすものが正しい。

相手に何かしたらお返しをもらえるのかどうか(メリットとデメリット)が善悪の基準。

盗む場合

・妻が死んでしまったら自分の生活に支障が出るから

・妻に感謝されるから

・後で「盗まなかったせいで・・・」と後悔しないで済むから

・法律に従っても損するだけだから

・医者に恩がないから

盗まない場合

・犯罪者として捕まったら牢屋で過ごすことになるから

・妻に悪人扱いされるから

・色々な人に犯罪者として嫌われると生活しにくくなるから

習慣的レベル

高校生女子

道徳心が芽生えてきた状態の人(学生高校生)に多い解答。

道徳心の第三段階と第四段階。

第三段階=良い子の道徳

他者を喜ばせたり助けたりする行為や他者に善いと認められる行為が正しい。

他者の意見や大衆のイメージが善悪の基準。

盗む場合

・妻を助けるのが良い夫だから

・盗んでも皆「仕方ない」と言ってくれると思うから

・妻ならきっと「薬を盗んで欲しい」と言うだろうから

盗まない場合

・医者に迷惑をかけてしまうから

・法律を破ると悪人になってしまうから

・逮捕されたら親戚や友人に迷惑をかけてしまうから

第四段階=法と秩序

社会のルールに従うことが正しい。

社会的秩序を維持できるかどうかが善悪の基準。

ただし特別な事情がある場合に限り一時的に社会のルールを乱しても良い。

盗む場合

・法律は国民の命を守るために作られたものだから命を守るために破っても良い

・特別な事情に合わせて法律も変わるべきだから

・命を守るための行動が後々社会に良い影響を与えると思うから

盗まない場合

・法律を破ったら国全体の秩序が乱れてしまうから

・守られることを前提として法律はあるから

・一人が社会のルールを乱したら他の人にも不利益があるかもしれないから。

脱慣習的レベル

美人

道徳心が発達した状態の人(成人)に多い解答。

道徳心の第五段階と第六段階。

※成人でも第六段階に至る人は希少だと言われています。

第5段階=社会契約と個人の権利

人間の命や自由を優先することが正しい。

多様な価値観を認めた上で理にかなっているかどうかが善悪の基準。

盗む場合

・薬代が高過ぎるし妻の命はかけがえのないものだから盗む

盗まない場合

・医者の生活が厳しくなり不自由をさせるかもしれないから盗まない

第6段階=普遍的な倫理的原理

良心に従う行為が正しい。

心で感じ取ったものが善悪の基準。

盗む場合

・妻の命を助けることが自分の本当にやりたいことだから盗む

・自分は命を救う行いに誇りを持っているから盗む

盗まない場合

・盗んだら今後良心の呵責に耐えられないから盗まない

・医者を悲しませたくないと感じたから盗まない

・誰もが不幸にならない道を探したいから盗まない

おわりに

いかがだったでしょうか?

ただの心理テストみたいなものなので結果は深く気にしなくて大丈夫ですよ😊

実際「キャロル・ギリガン」などの心理学者に批判されている問題でもありますし😓

※ギリガンはコールバーグの弟子でアメリカのフェミニストとして有名な方です。

ギリガンはこの問題における道徳心の

基準が男性優位なものだと批判しました。

そもそも「妻を助ける」という前提か

らして男性的な考え方ですもんね💦

それにしても「ハインツのジレンマ」は中々奥の深い話ですよね

道徳心を発達させるには人間関係の中で「愛情、尊敬、共感」を育むと良いみたいです✨

そう考えるとこの医者は「愛情、尊敬、共感」が不十分な環境で育った可能性が高いですよね🤔

多分「第二段階=報酬と取引」にいるのだと思います。

このように周囲の人を分析してみるのも面白いかもしれませんね😁

さて、あなたはどのような考え方で今後生きていきたいですか?

今回の記事で何かしらの気付きを得ていただけたのなら嬉しく思います🔅

最後までお付き合いいただきまして誠にありがとうございました。

また次回の記事もよろしくお願いいたします✨

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